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そして、これと全く同じ活気が、あの燃え残りの蝋燭の発する佗びしい、だが、ゆらめくやうな活気が今夜の法事で主人役をつとめている神原直造にもあつた。
「連れっ子をして行ったです。その子供がまたチブスになって、……」
「それあきまつてる、猟銃だもの」
印袢纏の背の高い男がその時、半シャツの男に向つて目くばせをした。
私は朝と夕方と真夜中に入浴する。朝、ぬるいうちに私がはいり、そのあと熱くして家族がはいる。それをほッとくと、夕方、私には手頃のぬるさとなっている。
好い座敷には床の間、ちがい棚は設けてあるが、チャブ台もなければ、机もない。茶箪笥や茶道具なども備えつけていないのが多い。近来はどこの温泉旅館にも机、硯すずり、書翰箋しょかんせん、封筒、電報用紙のたぐいは備えつけてあるが、そんなものは一切ない。
二
かうして、房一の帰郷開業はその生涯を劃する大きな変化でもあつたが、同時にあの古風な河原町の人達にとつても眼を瞠みはるやうな事件であつた。房一はめつたにない成功者として目された。地方の新聞には彼の苦学力行を賞讃する大きな記事が出た。
と、小谷が云つた。
「昨日、君とこの奥さんがバスに乗るところを見かけたが、――」
「なにしろ、迷ふんだな」
「どなたか知りませんが、この男が御騒がせしたさうで、御無礼でした」
と、房一は練吉の顔を見て思ひ出したらしく、
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