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    心持照れ臭さげにしながらも、盛子は快活などこか家庭的な確しつかりさといつた風なものを現して、この一日造りの漁師達を眺めた。

    ごろごろする石の上を下駄ばきでは歩きにくかつた。房一は川から上つたまゝの濡草履をはいているので速い。盛子は空からになつた追鮎箱を手にして後からついて行つた。

    と、その小柄な身体から出るとはとても思へない、幅のある、濁だみ声で云つた。

    房一の竿に最初のやつが掛つた。

    「誰かと思つたら――」

    二人は岸に着いた。

    声をひそめて、富田が訊いた。

    「へーえ」

    房一は永い間診察した。ひどい貧血症、食慾のないこと、動悸が打つ、野良仕事はもう三四ヶ月前からできないでいる、――

    だが、急に機嫌をとり直した。そして、徳次が彼の口から聞くことでどんな表情になるかを期待しながら、ゆつくり相手の顔を見て云つた。

    房一は目を上げて注意深く道平を見た。

    房一は苦笑した。

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