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喜作の方でも、房一の来るのを認め、
「随分早いのね」
半シャツの男が進み出た。
房一の老父、道平が二三日前に倒れたのだつた。そして、今、練吉に対診を求めて来たのである。
これが若し他人だつたら、或ひはかけがへのない一人息子でなかつたら、正文もいさぎよく結着をつけてしまつたらう。「道楽息子」――その一言で済むわけだつた。
徳次は自分のことのやうに熱心に路順を考へた。
「うむ、――え?」
「さうです、一寸」
「知吉さんはこれまで散々踏みつけられて来たんだから、自分が戸主になつてみるとこれまでの腹いせといふ気もあるんでせうな」
笹の葉の下から現れたのは頭から尾まで黒々と廻り、全体に円味がつき、所々の鱗が金色に光つていた。
熱心になっていた「な」の字さんは多少失望したらしい顔をした。
「何をするかつ」
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