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「やあ、しばらくで」
「さうさう、先だつてはお加減がわるかつたさうですが――」
義母は明日も片づけ仕事が残つているので泊つて行くことになつた。
「なに?競馬のこと?」
「ふむ、ふむ」
「お松ですか?お松は半之丞の子を生んでから、……」
「まだ?ふん!よせ、よせ。阿呆らしい」
「うん、寄りがあるからな、あんたはうちに帰つとんなさい」
その直造の耳には、次のやうな言葉が響いて来た。
「連れっ子をして行ったです。その子供がまたチブスになって、……」
と、やがて相手は訊き返した。声音は落ちついて低かつたが、その裏には場合によつてはまるで反対の強さに瞬時に変りかねないことを感じさせる力がこもつていた。
「きさまか、鬼倉ちふのは」
控へ目に坐つて、注いだ茶碗を盆の上に揃へると、
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