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    その頃、紙衣かみこの神主達の行列は町からかなりはなれた河向ふの路をぞろぞろ歩いていた。

    練吉はもうさつきから殆ど一人でぐいぐいやつているにもかゝはらず、むしろ青い顔だつた。

    いきなり忙せはしなく立上ると庫裡へ走つて行つて、間も無く茶器を揃へた盆を自分で持ち運んで来た。長い胴を折り曲げるやうな危つかしい調子で房一の前に置くと、

    房一が云ふと、喜作は突然びつくりするほど大きな口を開けて笑つた。

    そして、これと全く同じ活気が、あの燃え残りの蝋燭の発する佗びしい、だが、ゆらめくやうな活気が今夜の法事で主人役をつとめている神原直造にもあつた。

    徳次は足を踏ん張つて立ち、まだそこら中を見まはしていた。房一はちらりとその顔を見たが、黙つて片づけていた。

    今泉は面喰つてこれも徳次の眼の中をのぞきこんだ。二人の間には恐しく判りにくいものが突然はさまつたやうに思はれた。

    と云ふ、思ひがけないほどはつきりした声で差し出した。そして、又淡泊なさつさとした足どりで台所の方へ去つた。

    と云つたまゝ、もの珍らしげに、しばらく眺めていた。それから、相手にその意味が判るやうに微笑をし、目くばせをしながら、

    男は眼を閉ぢたまゝだつた。

    「うむ、わしか」

    「困つたもんだね」

    「さうだ、君はあの時の射撃大会に出たさうだね」

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