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「おぢいさん、そんなに立つてばかりいないで腰をかけなさいよ」
「うん、もうさつき帰つたよ」
「いためた?」
と、案外冷静に云つた。
「ふむ」
徳次は房一が顔を洗ふ間傍に立つて眺めていた。それからふいに訊いた。
徳次はしばらく考へていた。
あの坊主は前からあんな頭をしていたのかしらん。――さう云へば、子供の時分いつしよに遊んでいるとき見たやうに思つた。――練吉はそんなことを考へていた。
「小倉組といふと、下の工事場の方ですな」
「本日は、私ごとき者までお招きに預りまして」
富田は庄谷の方に向きなほつた。
「これはあなたがお乗りになるので――?」
「こゝの消防演習をやつたのだ。そんなに騒ぐことはない」
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